自分だけじゃないと勇気づけられて

また、老若男女を問わず、インターネットで「死別」と検索して、ご遺族の体験談を読んでいる人も多くいます。

死別体験についての知識や情報を得ると、今の自分が置かれている状況を客観的に受けとめ、自分がどのような状態なのか、心の中で何が起きているのかを理解できるようになることがあります。そうすると、少し安心できるかもしれません。

『もう会えない人を思う夜に 大切な人と死別したあなたに伝えたいグリーフケア28のこと』(著:坂口幸弘、赤田ちづる/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

夫を亡くした40代の女性は、インターネット上で似たような死別を経験した人の体験談を読んだそうです。

「周囲の人はもう1年たったのだから……とか、いつまでも悲しんでいても……と言いますが、ずっと悲しくて寂しくてあたりまえなんだと思えるようになりました。私がおかしいわけではなくて……」

この女性は、同じような体験をしている人がほかにもいることを知って、「自分だけがこのような体験をしているのではない」と、勇気づけられたようです。

類似の体験をした人の話を聞いたり読んだりすることが、生きていくうえでのヒントを得たり、自分のこれからを少し見通せるようになることにつながります。