遺産相続の基礎知識(写真提供:Photo AC)
遺言書の「有効・無効」はどうやって判断されるのか?相続トラブルはいかにして起こるのか?医学的な見解をもとに遺言書を精査する事業を行う遺言書のプロ・圓井順子さんが、〈家族が揉めない〉〈無効にならない〉遺言書作成のポイントをわかりやすく解説します。『遺言適齢期 予防医療と予防相続で争続は防げる』(幻冬舎)より一部を抜粋して紹介します。

のこされた家族が幸せになるために、知っておきたい相続の基礎知識

人は必ず亡くなります。そして金融資産や、不動産、大切にしていた思いの詰まった品々が残ります。

残された者たちにはそれらを配分・整理する作業が求められます。それが遺産分割というものです。

ごく簡単にその流れを説明します。まずは、故人が遺した遺言書があるかを確認します。そして故人の戸籍を調査して、相続人を確定します。

相続放棄をする場合は3カ月以内です。遺産の放棄をすれば、借金の放棄もできます。相続人が確定したら、遺産をどう分けるかの話し合い、「遺産分割協議」を行います。

まとまったら、「遺産分割協議書」という書類を作成し、相続人全員が自筆署名、押印(おういん)します。

遺産分割協議で意見がまとまらない場合は、家庭裁判所に「調停(ちょうてい)」を申し立てます。

調停でまとまらない場合は、裁判所に判断を仰ぐ「遺産分割審判」へ移行します。「調停」との違いは、もし反対する相続人がいても審判が確定すると、その通りに従わなくてはいけないという点です。

審判の結論に不服があれば、2週間以内ならば即時抗告できます。また、いきなり民事訴訟に発展する場合もあります。