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「不安やイライラ、めまい、不眠などの不調を訴えて『過緊張』や『不安症』と診断されるビジネスパーソンが増加傾向にある」――。そう指摘するのは、精神科医の和田秀樹先生です。人前に出ると頭が真っ白になったり、過度な緊張状態が続いて自律神経のバランスが崩れたり…。緊張や焦り、不安を落ち着かせるためには、どうすればよいのでしょうか。今回は和田先生の新著『仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく』より、精神医学や心理学の観点から、平常心を取り戻して自分の本領を発揮するための方法を一部ご紹介します。

緊張には「いい緊張」と「悪い緊張」がある

緊張すると、心臓がバクバクして、汗が出たり、手足の指先が震えたりします。

こうした変化を自覚すると、焦る気持ちが高まり、頭が真っ白になって、平常心を保つことが難しくなります。

緊張というのは、日常的に誰にでも起こりますが、緊張には「いい緊張」と「悪い緊張」があるのをご存じでしょうか?

この二つを分けて考えることが、落ち着くための第一歩となります。

いい緊張とは、新たなことにチャレンジしたり、チャンスに直面したときに生じる感情の変化を指します。

一般的には、「ワクワク感」や「ドキドキ感」と言い換えることができます。

いい緊張には、集中力や判断力を高めて、目の前のタスクに対する意欲を刺激し、パフォーマンスを向上させる効果があります。

オリンピックで金メダルを獲得したスポーツ選手などは、いい緊張を味方につけた典型的なケースといえます。