加齢により心身が衰えた状況を指す「フレイル」。24年8月の筑波大学による報道発表では、フレイル対策として有効な運動として「登山・ハイキング」「散歩・ウォーキング」「テニス」「グラウンド・ゴルフ」「筋トレ」などが挙げられています。しかし、項目として入っていないながら、「これから迎える高齢化社会では<顎トレ><舌トレ>こそ全ての年配の方に行ってもらいたい」と幸町歯科口腔外科医院・宮本日出医院長は主張します。なぜ顎や舌を鍛えなければならないのでしょうか? 宮本院長に解説いただきました。
40歳以降から始まる心身の衰え
体力が著しく衰える時期には2段階あり、20歳以降と50歳以降とされています。
20歳以降は体力が少しずつ衰えはするものの筋肉量は40歳付近まで維持できます。
しかし40歳以降になると動作や視力の身体的機能が衰え、さらに50歳以降は体力と筋力の両方が急激に低下します。60歳以降になると明らかな老化現象が始まり、生活に支障が出るように…。
このように心身が衰え、健康な状態から介護状態になるまでの期間を「フレイル」と言い、超高齢社会で健康長寿を目指す我が国では注目のキーワードです。
体力・筋力を維持して自立した生活を長期間過ごせる社会をめざし、国策としてフレイル対策に取り組んでいます。