健康寿命が延びる中、お金の不安を解決する唯一の方法は「働き続けること」。『とらばーゆ』元編集長であり、人生100年時代のライフシフトを研究する河野純子さんは、65歳までを年金の「待ち時間」とせず、「雇われる働き方」から「雇われない働き方」へとシフトする準備を始めるべきだと語ります。その目標は好きな分野で小さな仕事を立ち上げ、90歳まで続けていくこと。会社や家族のためではない、自分のための人生へ。ライフシフトするためのポイントを、河野さんの著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』より紹介します。
人生で一番ワクワクしたことを思い出す
「やりたいこと」を見つけるアプローチとして、これまでの人生を振り返り、「一番ワクワクしたこと」を思い出すという方法があります。
「ワクワクする気持ち」というのは、ひとりひとりの心の中から湧き出てくる未来への期待、行動の原動力になるものです。心が弾むワクワク感があるから、人は頑張れるし、そんなワクワクを仕事にできたら人生は楽しいに決まっています。
会社主催のキャリア研修などで、自分を振り返るワーク、いわゆる「キャリアの棚卸し」をやったことがある人もいるかと思います。
ただここでやることは、「自分ができること」に目を向けるのではなく、「ワクワクしたこと」にフォーカスして人生を振り返ることです。
また振り返るのは仕事だけでなく、人生全般。子どものころまで遡って、1歳ごとぐらいの詳しさで、じっくりと「ワクワク体験」を思い出してみてください。忘れてしまっていることもあるので、親や兄弟姉妹に聞いてみるのもよいでしょう。
またなぜワクワクしたのか、その背景にある気持ちまで深掘りしてみると、やりたいことにつながるヒントが見えてきます。