「なぜ大人になると時間の流れが早くなるのか?」「1年たつのが早くなった」そう感じている全ての大人へ、統計のプロが教える「時間の正体」。仕事や家事に忙殺されて「満足したフリ」をしていませんか?データ分析・活用コンサルタントであり、登録者38万超『謎解き統計学サトマイ』YouTubeチャンネル運営している、佐藤舞(サトマイ)さんが、充実した時間の取り戻し方を提案する著書『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』より一部を抜粋して紹介します。
時間の浪費の正体
「自分にとって有意義なことややるべきことが一体なんなのか分かっていない」ことと、「人生において本当に大切なことに向き合おうとする時に現れる邪魔者の正体が分かっていない」ことで、漠然とした不安やなんとなく満たされない感覚を抱えたまま、刻一刻と時間だけが過ぎていきます。
有意義なことが光、邪魔者が闇だとしたら、闇を避け、光に向かって生きたいと思うでしょう。しかし、人間にはなかなかそれが難しいのです。
17世紀のフランスの文学者、フランソワ・ド・ラ・ロシュフコーは「死と太陽は直視できない」といいました。
これほどまでに人間の本質を的確に表している言葉はないでしょう。この一文が、ここでの最重要キーワードです。
死とは、受け入れがたい現実です。私たちは生まれた瞬間から、老いて死ぬことが約束されています。いずれ自分が死にゆくと知りながら前向きに生きていくのは難しいものです。
どんなことが起きようと時は流れ、毎日太陽が昇り、私たちを明るく照らします。太陽は活力を与えてくれたり、待ち遠しい存在であり、時には残酷なほどに眩しい存在でもあります。
私たちは、死や老い、病といった受け入れがたい現実を直視することができません。
そんな心の闇の中で、必死に希望の光を探そうとしますが、希望、すなわち太陽もまた直視できない、といった葛藤を抱えながら、どのように生きるのかを模索しています。
多くの人は、死と太陽という本質を見ることを避け、代替案として選んだ選択肢を正当化することに時間を使っているのではないでしょうか?