(写真提供:Photo AC)
日本人は世界でも変わっている、とはよく言われますが、具体的にはどのような意味で「はずれ値」なのでしょうか。統計データ分析家の本川裕さんは、「国際比較データで日本や日本人が世界の中で非常に特異な傾向を示すものが多い」と話します。今回は、本川さんの著書『統計で問い直すはずれ値だらけの日本人』から一部を抜粋しお届けします。

マスコミへの信頼度の高さは日本の特殊性

世界価値観調査では、定番設問のひとつとして種々の組織・制度への信頼度について調べている。

この調査で日本は毎回、マスコミに対する信頼度が高く、政府や政治家に対する信頼度が低くなっている。

これは日本だけの特徴なのだろうか。他国もマスコミに対する信頼度はやはり高く、政治に対する信頼度はこんなに低いのであろうか? こうした点を確かめるためには、諸外国、特に先進国の状況と比較する必要がある。

表1では、主要な16組織・制度について、最新調査で、どの組織・制度に対する信頼度が高いかを信頼度区分別の表形式で示した。結果を見やすくするため、新聞・雑誌、テレビといったマスコミや政治については太文字、宗教団体については背景をグレーであらわした。

(表1)<『統計で問い直すはずれ値だらけの日本人』より>

取り上げた対象国は、先進国の代表である日本・欧米の計7カ国であるが、先進国以外の参考事例として、2021年2月の国軍によるクーデター以降、市民・学生らを含む反対勢力を制圧して軍が政権を掌握し続けているミャンマーの結果を加えた。