年齢を重ねてからの骨折は、寝たきりになるリスクを高めるだけでなく認知症に繋がるおそれも。そうならないためには、骨を丈夫に保つことが大切です。何歳からでも始められる強化法を伝授します(構成:内山靖子 イラスト:まえじまふみえ)
日本人の98%はビタミンD不足
現在、心配がない人も、加齢とともに骨の老化は進んでいくのが自然の摂理ですから、何もせずに放っておくのは危険です。今のうちから、丈夫な骨を保つための生活習慣を心がけていきましょう。
具体的には、折れにくい骨をつくる栄養素が含まれた食事を摂ることと、適度な運動を習慣にすることです。
まず栄養に関して言えば、欠かせないのが、ビタミンD。ビタミンDには、カルシウムの腸からの吸収を助け、骨を形成させる働きがあります。しかし私たちの研究チームの調査では、日本人の実に98%がビタミンD不足であるということがわかりました。
ビタミンDが不足すると、いくらカルシウムを摂取しても体内に吸収されずに便として排泄されてしまいます。日光に当たれば皮膚からビタミンDが生成されますが、それだけでは決して十分ではありません。
サバ、アジ、マグロ、サンマ、チーズ、キノコ類など、ビタミンDを豊富に含む食材を、毎日のメニューに加えるといいでしょう。
活性酸素による骨の酸化ストレスを軽減する効果があるビタミンB群も忘れずに。ビタミンDもB群も、食事だけで十分な量を摂るのが難しい人は、市販のサプリメントで補っても構いません。