日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「天明の大飢饉」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
ようやくコメの流通に目星が立つも
「べらぼう」劇中で、絶対的権力者・田沼意次をして「何とかならなければ俺はもう終わりじゃ」と言わせるまでの問題となった大飢饉。
蔦重からヒントを得た田沼意知の活躍もあって、一連の騒動にもようやく落ち着く気配が見えてきました。
一方、ドラマ初回から出ていた意知と、蔦重が気軽に意見をかわせるまでの関係になったことを喜ばしく感じていたなか、意知が佐野政言から斬りつけられるという衝撃のラストを迎えてしまい…。
次回放送が2週間後ということで、私たち視聴者は首を長くしながら放送を待つしかないわけですが、今回はそのコメ騒動を招いた飢饉について、あらためて記したいと思います。