(写真提供:Photo AC)
心身の「なんとなく不調」に悩まされていませんか?脳神経内科医の山下明子さんは、身も心も癒やす方法として、マインドフルネスを取り入れた「食べる瞑想」を提案しています。これは、食事において「何を食べるか」ではなく「どのように食べるか」に焦点を当てた瞑想法です。そこで今回は、山下さんの著書『食べる瞑想:幸せな毎日が続く「新しい心の整え方」』から抜粋し、再編集してお届けします。

習慣化の秘訣は「はじめの一口だけ」

五感を研ぎ澄ませながらゆっくり味わう食べ方を、普段の食事に取り入れてみることは大切です。

ですが、そうは言っても、私たちは忙しいですよね。三食すべてに時間をかけて味わうのは、なかなかハードルが高いかもしれません。

「一日3回の食事をすべて、最初から最後まで瞑想しながら食べましょう」なんて夢のまた夢。本記事は、そのような提案をするわけではありません。

「はじめの一口だけでいい」

この考え方を、身につけていただきたいのです。

習慣というと、歯磨きや早起きなど、毎日の決まった行動を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、思考にも習慣というものがあります。

「思考のクセ」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。出かける前に「カギとスマホと財布をバッグに入れたかな?」と考えたり、やりたくない仕事を「明日やればいいや」と先延ばしにしたりするのも、思考のクセの一種です。

それならば「食事のはじめの一口だけは、感覚を研ぎ澄ませて食べよう」と意識することも、繰り返していけば必ず習慣にできるはずです。

だって、毎日3回も実践の機会があるのですから。

それでは、やってみましょう。