イメージ(写真提供:Photo AC)
身近な人に看護・介護が必要になったとき、みなさんはどこに相談しますか?
総合的な相談先として、主治医の所属機関を問わず、活用できるのが「訪問看護ステーション」です。
その地域に開かれた独立した事業所である「訪問看護ステーション」に、黎明期から関わり、自ら起ち上げた「桂乃貴メンタルヘルスケア・ハートフル訪問看護ステーション中目黒」で、自分自身も看護に当たるのが渡部貴子さん。
自らの経験を元に、介護や看護で困っている方への質問・疑問に答えてもらうのがこの連載です。第21回目は、「自信を取り戻すための心の整え方」についてです。
(構成:野辺五月)

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自信を取り戻すための心の整え方

Q:SNSで他人のキラキラした生活を見たり、成功した人の話を聞いたりすると、つい自分と比べてしまい、落ち込んでしまいます。なんだか焦る気持ちや、漠然とした不安も消えません。分かってはいるけれど、比べてしまう自分から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか?この「他人と比べる癖」は、やめられるのでしょうか?

A:情報が溢れる現代社会では、誰もが「あの人はすごいのに、私は…」と、つい他人と自分を比較してしまいがちです。その気持ち、本当によく分かります。常に情報とつながることで、知らず知らずのうちに心が消耗し、自信を失ってしまう方も少なくありません。私たち看護師も、心の不バランスから生じるお悩みとして、この「比較による苦しみ」に数多く向き合ってきました。今回は、他人との比較を手放し、情報過多の時代にあなたらしい自信を取り戻すための心の整え方を、一緒に考えていきましょう。

ヒント1:デジタルデトックスで「脳」と「心」に休息を

気づけば一日中スマートフォンを手にしていませんか?テレビをつけっぱなしにしていませんか?私たちの脳は、意識していない間も膨大な情報処理を続けており、これでは本当の意味で休まることができません。脳が休まらないと心も休まらず、感情が整いにくくなり、イライラしたり、不安を感じやすくなったりします。

デジタルデトックスとは、意識的にデジタル機器から離れる時間を作ることです。例えば、「寝る前の30分はスマートフォンを触らない」と決めるだけでも、睡眠の質が劇的に向上し、心身の回復を促すストレスホルモン(コルチゾール)の減少にもつながると言われています。まずは1日5分からでも構いません。「寝る前だけは誰とも繋がらない時間を自分に与える」ことで、良質な睡眠を取り戻し、脳と心に本来の休息を与えましょう。これはまさに「情報の断捨離」であり、「ココロの片づけ」なのです。