プーカースドルフ・サナトリウムにて(写真提供:『これが規格外の楽しみ方! たくおん式なるほどクラシック』/KADOKAWA)
ストリートピアノや動画配信でクラシック音楽への関心が高まっている昨今。YouTubeチャンネル「TAKU-音 TV たくおん」での総再生回数1億超え、公演チケットが3分で完売など、世間の注目を集めているピアニスト・石井琢磨さん。そんな石井さんが、クラシック音楽の魅力と新しい楽しみ方を提案した著書『これが規格外の楽しみ方! たくおん式なるほどクラシック』より、一部を抜粋して紹介します。

ピアニストになるには大きく2つのルートがある

ピアニストを目指す方法はいくつかありますが、大きく分けて2つのルートがあると考えます。

1つめは、幼少期の頃から才能を発揮し、名門オーケストラとの共演を果たすような「神童タイプ」です。ユジャ・ワン(1987年〜)、ラン・ラン(1982年〜)、ニュウ・ニュウ(1997年〜)、ヤン・リシエツキ(1995年〜)……、国内の場合だと、ピアニストではありませんがヴァイオリニストのHIMARI(2011年〜)さんなど。

子どもの頃から金の卵のような存在で、周囲から「あなたはピアニスト(演奏家)になったほうがいい」と勧められることも多く、自然と音楽の道に進むことが多いです。

2つめは、音楽大学などに進学しながら地道に学習を重ね、コンクールでの受賞などがきっかけで活動が広がっていくルートですね。

これに加えて最近は、YouTubeやSNSを通して知名度が上がり、これまでのクラシックファンとは違う層の人たちに共感され、ピアニストになるパターンも増えてきた印象です。

どんなルートでピアニストになるのか。それは、その人の実力が発揮されるタイミングや周囲の環境によっても大きく異なります。