◆これがたくおん式、クラシックの楽しみ方

クラシック音楽を楽しむには、まずは深く考えないことが大切かもしれません。そもそも音楽って、目には見えないものだから非常に抽象的なものです。でも、「もう一度聴きたい」という感情を生みだすことはできます。

これは、たとえばレストランへ行って、「おいしい」「もう一度行きたい、食べたい」と思う感情に似ているかもしれません。「このパスタがおいしかった」と思うように、「この曲、よかった」「もう一度聴きたい」と感じれば、音楽を楽しむ準備はできています。料理と一緒で、自分がおいしいと思ったらおいしい、この音楽は素晴らしいと思ったら素晴らしい。これでいいんです。

その調子で少しクラシック音楽の魅力にハマってきたら、「なんでこれはこんなにおいしいのかな?」「おいしくなる秘訣は何だろう」といった具合に、その音楽をいいと思った感情の源を探ってみる。

クラシック音楽はさまざまな知識がないといけない、と思われがちですが、最初は「いいな」と思うだけでいい。専門的な知識は、「どうしてこんなに素晴らしいのだろう?」と気になってからで十分です。

ますます魅力に取り憑かれたら、ぜひピアノを弾いてみてください。演奏することで違う魅力が見えてくるかもしれません。こうやって音楽を楽しむことで、きっとあなたの人生が豊かになると思います。

 

※本稿は、『これが規格外の楽しみ方! たくおん式なるほどクラシック』(石井琢磨:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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これが規格外の楽しみ方! たくおん式なるほどクラシック(石井琢磨:著/KADOKAWA)

「クラシックをもっと身近に感じてほしい」YouTubeの登録者数32万人(2025年6月現在)、アルバム発売の全国ツアーでは総動員数1万人を記録した、今注目のピアニスト石井琢磨氏が解説するクラシック音楽の魅力と新しい楽しみ方。初めてクラシックに興味を持った人が聴くべき音楽家、名曲の魅力など、著者独自の視点で解説。