ニーチェ、シェイクスピア、旧約聖書…長く愛されてきた古典からは、理不尽な世の中を生きていくためのヒントが見つかるかもしれません。哲学・文学・思想をどのように人生に役立てていけばいいのか。人気オンラインスクール『古典教養アカデミー』主宰の宮下友彰さんが、豊富な事例と共に紹介する著書『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』より、一部を抜粋して紹介します。(全4回中の1回)
「この世界は自分用にはできていない」
この記事で紹介するのは、世界十大文学にも数えられている、バルザックの作品『ゴリオ爺さん』です。
主人公のラスティニャックは田舎から都会に出てきて、まさに経済的な成功を得ることに心躍らせている青年です。
ところが、彼が直面したのは、きらびやかな世界の裏でうずまく人間の負の側面でした。
まさに、彼は不条理の中で戦わねばならないのです。
彼の精神が限界に達したとき、はたして彼はどんな決断を下すのでしょうか?
これから、僕の経験も交えて、解説していきます。