ゴリオ爺さんの死後、ある決意をしたラスティニャック
終盤、ゴリオ爺さんは年金さえ切り崩し、一文なしになり、娘の無心に応えられないことを悔やみながら病に倒れます。
ラスティニャックはゴリオ爺さんを気の毒に思い、懸命に看病します。
ところが、父親に金がないとわかった2人の娘は、見舞いにも来ませんでした。
最後、ゴリオ爺さんは、娘が自分を愛していないことを悟り、発狂しながら息を引き取ります。
ラスティニャックはゴリオ爺さんのために葬儀を開くのですが、誰1人弔問に来ません。
これが都会の冷酷さというものか。田舎に帰るべきだろうか。
ラスティニャックはそう逡巡します。
そして、最後にパリを見下ろせる墓地にたたずんだラスティニャック。
ここで、ある決意をし、彼は大声で叫びます。
「今度はおれが相手だ!」
『ゴリオ爺さん』(バルザック著・中村佳子訳/光文社)
彼は都会に住み続けることを決意したのでした。
まとめ:この古典教養が救ってくれる人
・希望の仕事に就いたものの、なぜかしっくりこない人
・上京し、環境の違いに疲れている人
・何をやっても思い通りにいかず、毎日が楽しくない人
※本稿は『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』(大和出版)の一部を再編集したものです。
『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』(著:宮下友彰/大和出版)
「なぜ僕はこんなことをしているのだろう? こんな毎日が死ぬまで続くのだろうか?」
希望の会社に入社したものの、自分を犠牲にして働くこと、何よりお金が優先されること、頑張っても報われないこと……、すべて不条理に感じた。
そんな僕を成長させてくれたのは「偉人たちの言葉」だった――!
本書では、哲学・文学・思想をどのように人生に役立ててきたかを、たくさんの事例とともに紹介しています。