自分の感情とよく向き合うことで、幸せを追求していくことのできる『アドラー心理学』では【怒り】という感情は、「自分自身で選んでいる」と考えられています。「パワハラが気になり、部下を怒れない」「ささいなことでムカつき、自己嫌悪に」「マウンティングする友達に、モヤモヤ」そんな感情にとらわれないためには、どうすればいいのでしょうか。ライフコーチである小泉健一さんが、自身の経験とアドラー心理学を活かして解説してくれる著書『その気持ち、我慢するより、できることがあるかもよ?アドラー心理学でわかった怒りのトリセツ』より一部を抜粋して紹介します。
怒りは前向きなエネルギーにもなる
私は、怒りがすべて悪いものなのかというと、そうではないと考えています。というのも、怒りは前向きなエネルギーにもなるからです。
私は、「怒りは出し入れ自由な感情」とお伝えしています。
怒りを表に出す理由が、相手を支配することや自分の主張を押し通すことだとしたら、人間関係としてはうまくいきません。
ただ、怒りをモチベーションにして行動すれば、怒りはガソリンにもなるのです。
例えば、「絶対にあの人を見返してやる」「こんな境遇は、ほかの誰にもなってほしくない」「なんて理不尽なんだ」、このような想いが自分の行動の糧になることがありますよね。
怒りがガソリンとなり、ポジティブな行動力につながる可能性もあるので、うまく付き合っていけば一概に悪い感情とは言えないでしょう。
アドラーは、このようなことを「劣等感」という言葉を用いて表しています。