パワハラ・モラハラ

怒りという感情も同様に、相手を攻撃する、あるいは我慢して現実逃避するのではなく、うまく付き合えるものであれば、前向きなエネルギーにもなりうるのです。

昨今は、パワハラ・モラハラという言葉をよく耳にするようになりました。

先述したように怒りで相手を支配しようとする人や、相手を蔑むことで劣等感を穴埋めしようとする人が、こうしたハラスメントをしてしまいがちです。

もちろん、それはいいことではありませんが、昨今は、過度にハラスメントを意識してしまうことで、職場でも指導がしづらいという人も少なくありません。

何度もお話ししているように、怒りは前向きなエネルギーにもなるため、怒りという感情すべてが悪いわけではありません。

しかし、「ここまで言うと、パワハラになってしまうかな」と気にするあまり、何も言えなくなって部下とコミュニケーションが取れないという人もいるでしょう。

そのような場合は、しっかり目的を伝えればいいと私は思います。

私自身も、上司から「怒り」という感情を使って注意されたことがあります。

しかし、私はそのことはまったくハラスメントだなんて思っていません。

なぜなら、怒りを持ち出した目的を明確に提示してくれたからです。

そして、そのとき、別室に呼び出すという配慮もしていただいたうえで注意をしてくれました。私のことを考えての「怒り」だったのです。

自分の「怒り」の目的をしっかり伝えたうえであれば、それはパワハラにはならないのではないでしょうか。

そうは言っても、相手の受け取り方次第というところもあるかもしれません。

 

相手を支配しようとする人(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)