ニーチェ、シェイクスピア、旧約聖書…長く愛されてきた古典からは、理不尽な世の中を生きていくためのヒントが見つかるかもしれません。哲学・文学・思想をどのように人生に役立てていけばいいのか。人気オンラインスクール『古典教養アカデミー』主宰の宮下友彰さんが、豊富な事例と共に紹介する著書『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』より、一部を抜粋して紹介します。(全4回中の2回)
「世界は自分用にできている」と思っていた
ここで僕自身について、お話しさせてください。
僕の人生は、大学まで順風満帆そのものでした。
希望した高校に合格し、エスカレーター式に大学に入学。
そして、その大学ではマジッククラブというサークルに入会し、有楽町や銀座などのレストランで毎夜マジックを披露していました。
サークル内でも中心的人物となり、僕にとって、まさに世界は、次のように見えました。
「世界は、僕のためにできている」
大学時代までに所属するコミュニティは、家族、サークル、ゼミ、バイトなど、ごく小規模なものです。
僕はそれらを単なる社会の縮図だと考えていたため、このようにたかをくくっていました。
「社会で生きていくのも、今と同じように容易なものだろう」