歌手、俳優の美輪明宏さんがみなさんの心を照らす、とっておきのメッセージと書をお贈りする『婦人公論』に好評連載中「美輪明宏のごきげんレッスン」。9月号の書は「のんびり気ままに」です。
私は昭和の申し子
今年は昭和が始まって100年目ということで、昭和に関するテレビ番組や催しも多いようです。
最近は若い人たちの間で、ちゃぶ台やレコードプレーヤーなど昭和の家具や家電をレトロな雰囲気のインテリアとして取り入れたり、昭和の歌謡曲や映画などのファンも増えていると聞き、面白いなと感じました。
私は昭和10年生まれですから、まさに昭和の申し子。戦争、そして長崎の原爆を経験し、戦後の復興を目の当たりにしています。
高度成長時代も、日本人はそれこそ馬車馬のように働きました。そんな昭和を振り返ってみると、今よりすべてがのんびりしていたように思います。