(写真提供:Photo AC)
「体力の衰えを感じはじめた」「老後のお金が心配」60代以降は健康やお金などあらゆる面で不安が募りがちです。ところが、2025年で65歳を迎えた精神科医・和田秀樹先生は「特に65歳からは、この世は『楽園』だと思って、あらゆる意味で『自由に』生きてこそ、本当に自分らしい人生を送ることができる」と、語ります。そこで今回は、和田先生の著書『65歳、いまが楽園』から、一部を抜粋してお届けします。

多くの人がお金を使い切れぬまま亡くなっている

日本銀行調査統計局が発表した「資金循環統計」によると、2024年12月末時点の日本の個人金融資産残高は2230兆円で、過去最高を記録しています。

そしてそのうちの6割を60歳以上の世帯が持っていて、さらにその3分の2近くは70歳以上の高齢世帯によって保有されていると言われています。

一方で、ある終活支援企業の調査によれば、相続された資産の平均額は約2750万円、中央値でも約1600万円とされています。

つまり、多くの人たちが貯め込んだお金を使い切れぬまま、亡くなっているのです。