「高品質な服」と聞いて、欧米のハイブランドをイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、アパレル商社でデザイナー兼パタンナーを務めているリサさんは、「日本製の服にも、高品質で着心地のいいものがたくさんあるのです」と語ります。そこで今回は、リサさんの著書『なぜ日本製の服は着心地がいいのか』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
日本製のTシャツはパターンが優れているから着心地がいい
着心地を左右するのはパターン
Tシャツは、シンプルながらとても奥深いアイテムです。
シャツやアウター、パンツと比べると、Tシャツは構造がシンプルで、見た目が似ているものも多い。ですが高品質なTシャツ――特に日本製のTシャツは、着心地が全然違います。
安価なTシャツの場合、首まわりが苦しかったり、脇の生地がひっぱられたりすることがありますが、日本製のTシャツなら、そんな不快さとは無縁です。見た目は大して違わなくても、着てみると「肩がきつくない」「首が詰まってこない」「腕が動かしやすい」など、着心地のよさが感じられるのです。
日本製のTシャツにあって、安いTシャツにないもの。それは、パターンです。日本製のTシャツの着心地がいいのは、パターンが優れているからです。
パターンとは、服の設計図のことです。Tシャツのようなパーツの少ないアイテムほどパターンは難しいのですが、これは服飾関係者も案外知らない知識です。むしろ、「シンプルな構造だから簡単につくれる」と甘くみられがちなのがTシャツだったりします。