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日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「男色」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

「男色の相」と指摘された歌麿

この数話の『べらぼう』では歌麿が絵師として名声を高めていくとともに、蔦重への秘めた恋心があらためて描かれました。

蔦屋の手代扱いとなった滝沢瑣吉からは「男色ではないか」と問われるも、「好きな人は男のこともありゃあ女のこともある」「世間様のものさしに当てりゃあ両刀ってことになる」とかわしていた歌麿。

しかし歌麿の絵師としての思いを今一つ汲まない蔦重とのやりとりを経て、結果的に「蔦重とは終わりにします」と決別宣言をすることに。

蔦重と歌麿は初回からタッグを組んできた関係だけに寂しくもあるも、ドラマも終盤を迎えている状況で、はたして二人がこの先どうなるのか、心配でなりませんが…。

今回は「男色」について考えてみたいと思います。