
5 神秘的な彼女
窓の下、明るすぎるいくつもの看板に煌々と照らされた道を歩く若い女の二人連れに、男三人が声をかけている。男たちは横に並んだり前に立ちはだかったり位置を入れかわりながら、女たちについていく。後ろ姿の女たちがどんな表情をしているのか、駒子(こまこ)からは見えなかった。
もう十一月も後半なのに寒くならないままで、このまま冬が来ないのではないかと駒子はたまに思う。テーブルに目を戻すと、のり切れないほどいくつも並んだ皿のエビとセロリの炒めものや豚の豆鼓(とうち)蒸しや緑色の餃子は順調に減っていた。
大哉(だいや)はあまり飲めないとのことで、ジャスミンティーを頼んだ。
「ぼくらの小学校の同級生だと、お母さんはほぼほぼ専業主婦だった記憶なんだけど」
「多数派ではあったね。でも主婦っていっててもパートで働いてる人もけっこういたんじゃないかな」
駒子は、大哉とも同じクラスで中のよかった友人の名前とその母親の仕事を何人かあげた。
「それに、石井さんのところは両親とも高校の先生だったし、坂本くんのお母さんは看護師だったんじゃない? お母さんのこと書いた作文が賞もらってた」
「うちといっしょや。あ、うちの母親も看護師なんですよ」
空いた取り皿を片づけながら千景(ちかげ)が言った。
「よく知ってるね。女子はコミュニケーションのネットワークが違うなあ」
「いや、たまたま知ってた人だけだよ。あんまりよその家族の仕事なんて知らないじゃん」
「確かに作文で親のことを書かされたような気もする。そうだ、親にチェックされて書き直したんだった。どこをどう直したのかは覚えてないけど」
「添削指導されたんだ。でもだいたい、学校でもお母さんが家にいる前提で物事が進んでたよね。行事にお母さんが来られなかったりする人は例外扱いだし、連絡事項なんかも家に帰ったらお母さんに見せなさい前提。いちおう「保護者の方」って書いてあっても、先生もお母さん前提でしゃべってるなって思うことは度々あった」
「なるほど確かに。自分が子供持って、保育園行って今度は小学校ってなってようやく、親がやらないといけないことってこんなにあるの! ってびっくりしたよ。そこらへんはうちの奥さんは厳しくて、これもこれもあんたの仕事だっていつも怒られてばっかり」
冗談交じりに保育園の持ち物や提出書類の説明をしつつ、大哉は初めて見る料理にはまだ慎重でほんの少しだけ取り皿にとって味見してから食べていた。羊肉やスパイスの強いものは好みではなさそうだった。
「原田のお母さんが参観日に来てた記憶はあるよ。きれいだから目立つよね、って言われてた」
「目立ってたのは遅れて駆け込んできたからだと思うけどな」
駒子は、母親たちが並ぶ教室のうしろに駆け込んできて十分ほど経つと出ていく母の姿を思い出した。兄の教室へも行かなければならない時期もあったし、自分の姿をうしろからずっと見られているほうがいやだったから、母が短い時間しかいなくてむしろほっとしていた。
「ぼくの母も、あの人はちょっと特別よね、なんて言ってたよ」
「それ、褒めてはないんちゃいます?」
千景が言うと、大哉は千景と駒子の顔を順に見た。
「……えー、そう、なのかな。お仕事してらっしゃる方は自由でいいわね、と。……自由は基本的にいい言葉だと思ってたから、原田のお母さんは楽しそうでいいなって子供心に……」
「どういう言い方かでも違うんじゃない? 大哉のお母さんが他意なく、ほんとに母のことが楽しそうに見えてたんだったらそれはそれでいいかな。母は仕事してるときは楽しそうではあったし」
忙しい生活だったから、駒子の母は同級生の母親たちとはあまり付き合いはなかった。店に花を買いに来たお客さんとしては世間話はしていたが、今で言う「ママ友」のような人は思い浮かばない。だから、同級生の母親たちは店先で愛想よくきれいな花々に囲まれていた彼女の姿しか知らなかっただろうな、と駒子は考えた。
「そうなの? さっき聞いた話だと、おじいさんの借金のために高校も辞めざるをえなくて長時間労働休みなしですごくつらい思いをされたんだと」
「つらいのと楽しいのと、両方ともほんとってことはあるよね。大哉だって、めちゃくちゃ大変な仕事で育児にも関われなくてつらいけど、やりがいを感じてるからこうやってわざわざ私に話を聞こうと思うわけじゃない?」
「なるほど。確かにそうだね」
大哉は何度かうなずいたが、駒子の言ったことについてまだ咀嚼中という表情に、駒子には見えた。
店内は常に騒々しかった。どこかのテーブルの客が帰って、また新しい客たちが入ってきて、酒や料理が運ばれて空のグラスと皿が片づけられることが途切れずに繰り返されていた。
千景は皿が空くと隅に重ね、空いたスペースを紙ナプキンで拭き、食べて飲んで、こまめに手を動かしながら話を聞いて話す。千景の家事や雑事の手際のよさに、駒子は家でも外でも感心していて、その細かいことに気がつくところと部屋の散らかり具合が、ときどきちぐはぐに思えるのを、隣に座っていてふと思い出した。
私も一回お茶にしようかな、とプーアール茶をポットで頼んでから、千景は話し始めた。
「私の母は看護師してたのは言いましたけど、夜勤も多くてそれはもう体力的にも精神的にも厳しい仕事なんやなっていうのは物心ついたときからわかってたんですよね。しかも世の中に必要とされてて人の役に立ってて、さらには患者さんの親身になって奔走するタイプの人で本人も患者さんとかその家族から頼られると生き生きしてて、でも生き生きするのと見た目がやつれるのとが同時進行してて、家で不満を言ったりはしないんだけど溜息ばっかりついてるときもあって、どう接したらいいのかよくわからへんなーって思ってましたね」
はあ、なるほど、はあ、と大きめのリアクションをしながら聞いていた大哉が、遠慮気味に尋ねた。
「あの、もしうかがえたらなんですけども、お父さんはどのようなお仕事をされてたんでしょうか」
「父のほうがもっとわからなかったですねえ。いちおうバーっていうか飲み屋っていうか、とにかくお酒を出す店を隣町でやってて。でも、ほとんど知り合いが飲みに来てるだけで生活費すら稼げてなかったと思うんですよねー。
元々父親の実家だった家の一階を改装したから家賃かからなくて、すごくマイナスでもないからかえってずっと続けてしまえてて。酒に依存して家族はないがしろにするような横暴なタイプかというとそれもまた違って。
家では優しくておもしろいお父さんって感じやったし、その店には近所の人や知り合いが集まっていつも賑やかで、父は悩みを聞いてあげたりイベントのまとめ役をやってみたり、なんというか、笑いの絶えない空気の真ん中にいるって感じやったんですねえ」
「ドラマにしたらおもしろそうな……」
千景が笑いを交えて話すのにつられて、大哉は先ほどより明るい声でそう言った。
「ドラマやったらね。おもしろいかもしれへんけどね」
返した千景の声には、諦念が含まれているようにも、もっと空虚な響きがあるようにも、隣に座る駒子には聞こえた。
「今までも断片的には聞いてたけど、千景さんちも大変そうだよね」
花椒の利いた麻婆豆腐と黄ニラの炒め物がテーブルに置かれた。
「困った父親ではあったよね。私が三、四歳まではいっしょに住んでたけど、一か月とか三か月とか帰ってこない時期が増えて、そのあとは店の二階で生活しだして、たまに家に来るぐらいになってんよね。私を店に連れて行くこともようあったけど。店に来る人らにはかわいがってもろたなあ」
「お酒飲むお店にですよね。あの、清水さんの子供のころと言いますと、煙草なんかも……」
「もちろん、そんなん誰も気にせえへん。パチンコ屋でも子供を膝に乗せて打ってるおっちゃんもおったなあ。子守せえへんよりましという見方もあるけど。
父親の店で遊んでくれたおねえさんたちのことは今もよう覚えてて。おねえさんたちっていうても、十八、九ぐらいの人から四十代の人までいてたんですよ、あとから思い出すと。明るく飲み歩いてる人もいたし、いかにもワケありで遠い地方から来て身の上話する人もいてたけど」
と、千景はいまだに覚えている「ワケあり」の例をいくつか話した。
「女の人はたいてい子供はかわいいかわいいって相手してくれて。私も家に一人でいるよりは楽しかったんかもね。世の中いろんな人がおるんやな、とは学べたし」
学べたし、って言うしかないよね、と駒子が言い出す前に大哉が話した。
「正直そんな環境に子供連れて行くなんてって思っちゃったんですが、聞いてるとすごく関西っぽくていいお話ですね。人の距離が近いのって、ぼくなんかからしたら羨ましいっていうか、いえ、もちろんご苦労されたのをそんなふうに言っちゃいけないんですけど、うちに来る人たちと両親の会話ってすごく表面的だったので」
「表面的?」
「両親は同じ大学の先輩後輩なんですけど、ぶっちゃけ、条件で結婚したんじゃないかって思うことあるんですよね。完全に打算でもなくお互いに愛情もあるとは思うんですが、父は大手商社に就職して順調に昇進しそうで、母もその会社に入社したばかりで好感度の高い外見で。寿退社が当たり前の時代で母は三年で退職して以来専業主婦なんですけど、どこかで父と同じ大学で同じ学部なのに誰かの奥さんとか誰かのお母さんとしか見られないことへの満たされなさがある一方で、似たような組み合わせの父の同僚や学生時代の知人への競争心みたいなものもあったんだと思うんですよね。
だからか、子供のころを思い出しても、今、清水さんにうかがったみたいな印象に残る大人の人とのやりとりって私は経験なくて。みんな手土産を持って来てくれて大きくなったね、いい子にしてるねって、やさしいけど通り一遍のやりとり。
最近、私も女性の生きづらさに関しての本を読んだり話を聞いたりしてるんですが、学生時代までは夢ややりたいことがあって能力を発揮してた女性が、就職して結婚となると誰かの世話をする役割りに押し込められてしまう、そのつらさがときに子供への過剰な期待になる、なんて話には、まさにうちの母じゃないかと。姉は、二つ上なんですが、小さい頃から母の不満の聞き役になってたらしく、私よりも受験や就職のプレッシャーを感じてたみたいです。姉は広告代理店に就職して……」
どこかで聞いた話だなー、と駒子は少しぼんやりとしていた。大哉が言ったように、この何年かの間に駒子も、似たような話を本やインターネット上の記事で読んだし友人からも聞いた。誰かの話に、うちもそう、わかるわかる、と誰かが言っていた。
駒子のリアクションが薄くなったのに気づいたのか、大哉は姉の話を結婚して子供が生まれたところで打ち切った。
「すいません、私の話ばっかりしちゃって。えー、それで、お父さんとお母さんはそのまま別居状態といいますか」
「そうなんよ。母は離婚なんてまったく考えたこともなくて。お父さんはああいう人やからそれでええの、私が納得してるからそれでええの、って言うだけで。
父は店をやめてからも、なんの仕事してるのかようわからん生活で、母はお父さんはお父さんでちゃんと生活してるって私には言うてたけど、父の分の生活費まで母が働きづめなんちゃうかなって、私は思ってて。そんな環境やったから私も早く働いて、母に負担かけないようにって十歳ぐらいで考えてましたね」
「そんな早くから」
大哉は神妙な面持ちで女たちのほうを見ていた。
素直な人っていいよね、と駒子は心の中で千景に向かって言った。千景は紹興酒よりもプーアール茶にしてからのほうが饒舌だった。
「父の店によくいた人で、たぶん父の若いときからの友達やった人から、私の母は妊娠したから結婚した、って聞かされたんですよね。結婚して子供生まれたらまともになると思ってはったのになあ、苦労してなあ、って。冗談として言うてたし、子供にはわからんと思ってたんやろうけど、そういうのってなんかずっと残るもんよなー。そのおっちゃんが勝手に言うてただけじゃなくて、横で聞いてた父も笑ってたんやけどね」
「それはお父さんがだめだよ」
思ったより大きな声になった、と駒子は自分で驚いた。しかし、その声の大きさのまま続けた。
「自分の子供にそれは聞かせたらだめでしょう」
大哉も千景も一瞬動きを止め、それから千景は、
「ほんまやで。誰かあのおっさんに言うたってほしかったわ」
と声を上げて笑った。「おっさん」が「客のおっちゃん」なのか父親なのか、駒子にはわからなかった。大哉は笑っていいのか笑わない方がいいのか、決めかねているようだった。
「原田のお兄さんはどうしてるの? ちょっと年離れてたんだっけ?」
「三つ上。兄は、早い時期から母とも父とも折り合い悪くて。父の親戚からは和彦の、あ、父は和彦って名前なんだけどね、和彦の上の子はグレた、放蕩息子だって言われるし」
「グレたって? 『池袋ウエストゲートパーク』みたいな?」
そのタイトルが出たのはここが池袋だからだろうか、と駒子の頭には中学生の頃に観たドラマの場面が浮かんだ。
「いやいや、全然。夜中にファミレスで溜まってたぐらいのことだよ。家ではそれなりにちょっと激しめの反抗期な言動はしてたけど、暴力振るってたわけでもないし。大学は一年くらいで行かなくなって、ワーホリでオーストラリア行って以降あちこちのワーホリと国内でバイトする時期と繰り返して、今は福岡の飲食系の会社に勤めてて結婚もして子供が二人、らしい」
「らしい、って連絡取ってないの?」
「子供のころから特に母のほうとは合わなくて、顔合わせると言い合いになっちゃうんで離れてるのがいちばんいいって感じかな。思い出したくないからか私にも必要最低限しか連絡してこない。父親の葬儀の時もとにかく二人がエキサイトしないようにフォローする役回りになっちゃって」
「あの、お父さん、亡くなってたんだ。知らなくて、その、ごめんなさい」
内面が表情と態度に出やすい大哉が申し訳なさそうに小さくなるのを見て、駒子は自分のほうが悪いことをしたような気持ちになった。
「ああ、言ってなかったっけ。ごめんごめん。十年ぐらい前にね、脳出血で倒れて病院に運ばれたけど意識が戻ることもなくそのまま。兄には私が連絡して、さすがにそのときは駆けつけてきたんだけど間に合わず……」
葬儀のときの光景がいくつか鮮明に見えた気がして、駒子はそれを追い払うように頭を振った。
「兄は母よりは父とのほうが関係はましだったけど、父も、兄のことは見放してるって親戚には言ってたな。父は、兄二人姉二人の末っ子で、この伯父伯母たちになにかにつけ口を挟まれるとこがあって」
「見放してる、って言われるなんて、きついね……」
さらに大哉の表情が暗くなり、駒子ははっとして話を中断した。
「そうか」
新しい視点、と駒子は思ったのだった。
父と伯父伯母たちとの会話の中で、兄と自分について「育て方を間違えた」と言うのが場を和ませるための定番のやりとりになっていた。父のいわゆる「自虐ネタ」でもあったし、伯父伯母たちは駒子と兄が父母との関係がどんなものか実際には知らなかったから、よくある親子間の軽口のように受け取っていたのだろうとも思う。「グレた」や「放蕩息子」など世代を感じる言葉も、彼らはそれほど深い意味を持たせていたわけではない。ああいう女の人を好きになっちゃったんだから、惚れた弱みだからねえ、和彦がいいなら仕方ない、こんなにいいお父さんはいないのにね、夜中にほっつき歩くような子になっちゃって、駒子ちゃんも学校休みがちなんだって? 二人とも何考えてるかおれにはわからないから、親の心子知らずってやつだよ。いつも同じ会話がドラマの台詞のように繰り返された。彼らは決まったことを口から発しているだけだと思っていた。いちいち傷ついたり悩んだりするような言葉ではない、と駒子は思ってきた。だから、兄もそうだと思い込んでいたが、違ったのかもしれない。もしかしたら、母も。
「映画と違って、現実はややこしくてめんどくさいことから逃れられへんよなあ」
千景が、お湯を足してもらったプーアール茶を飲みながらしみじみと言った。
妙にしんみりとした表情になっていた大哉は、緑色の瓶からノンアルコールビールをグラスに注ぎかけて、ふと気づいて女たちのほうを見た。
「映画って、原田のお母さんがモデルになってるっていう……」
『明日の世界』ね、と駒子はタイトルを言って頷いた。
「こないだ、鑑賞会したんだよ。私も初めて観たんだけど」
「女三人でうちに集まって」
駒子と千景は映画を観た日の話を手短に説明した。
「実は、ぼくも観たんですよ」
大哉の声はちょっと気まずそうだった。勝手に人の家を覗き見た気持ちになっていたのかもしれない。
「そんな気がしてた」
わざと軽い調子で駒子が返すと、大哉はほっとしたらしく早口で言い訳のような説明をした。
「でもあの映画は若い時のお話だから働く母親像としてはあまり参考にならなくて。当時のカルチャーは興味深かったけど」
「どうでした? あのマリアのキャラクター」
千景が急に楽しそうな調子に戻って、駒子は緊張が緩んだ。というよりも、しばらく身体を硬くしていたことに気づいた。
大哉も、少し気が抜けた声になった。
「あ、すごくかわいいですよね、ミーコさんて私は全然知らなかったんですが、画面映えするというか、独特の空気感がありますよね。不思議ちゃんキャラなのは、懐かしい感じもしました。子供のころに観てたバラエティ番組には不思議ちゃん位置の女性タレントが多かったじゃないですか? 音楽でも、今に比べると奇抜なファッションとトークが自由で楽しかったですよね。とはいえ、今もああいうタイプの、突飛な行動する強気な女の子は人気がありますね。テレビドラマだと主役じゃなくて、友達やライバル役のほうが多そうですけど……」
仕事相手に営業してるみたいな話し方、と思いながらも駒子は適当に相槌を打った。
このごろはテレビに出る若い女の子たちは黒髪ロングの整えられた外見で、その場で求められる役割を先回りして賢くふるまうことに長けてるなあ、と感じたのは何年くらい前だっただろう。|〝|若い女の子|〞|を象徴する役割、|〝|おじさん|〞|をたしなめる役割、|〝|空気を読まずにズバッと言う|〞|役割などをすぐに察知する器用さに関心したのは、自分が「若い女の子たち」から少し離れた年齢になったということだったのかもしれない。
「同級生のお母さんたちって、あの映画観た人いたと思う?」
駒子が聞くと、大哉は首を傾げた。
「どうだろう? いわゆるミニシアター系ですごくヒットしたわけでもないから、公開当時はよほど映画好きの人しか観なかったんじゃないかな。レンタルビデオの大型店なら置いてるとこもあったかもしれないけど」
ドラマーの親戚だった不動産屋の夫婦が映画を観て話を近所に広めたのだと思っていたが、もしかしたら彼らも大まかな内容を聞いただけだったのかもしれない、と駒子は思い当たった。ドラマー本人やバンドメンバーたちが出演していたのでもないし。
(つづく)

