「ニュースで終わらない。――その先にある物語を、スクリーンへ」をキャッチフレーズに、多彩な作品が集まる「TBSドキュメンタリー映画祭 2026」(4月10日まで、東京含む全国6都市で開催)。2021年から始まったこの映画祭で、数あるラインナップの中でも、ひときわ深い余韻を残すのが『War Bride 2 奈緒と4人の戦争花嫁』です。監督を務めた川嶋龍太郎さんは、『半沢直樹』『下町ロケット』などのヒットドラマを手掛けた人物。実は、川嶋監督の伯母、ハーン・桂子さん(95)も戦争花嫁の一人でした。今作は、戦後まもなく国際結婚をし、「戦争花嫁」として海を渡った4人の女性に俳優の奈緒さんが会いに行ったドキュメンタリー。奈緒さんは昨年、舞台版に出演し、桂子さんの役を演じました。ドラマの旗手として知られる川嶋監督が、なぜ、この私的な物語を撮らねばならなかったのか。川嶋監督に、作品に込められた思いを聞きました。(取材・文:野辺五月)
「戦争花嫁」という言葉の光
「戦争花嫁」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。英語の「War Bride」を直訳した言葉ですが、戦後、進駐軍の兵士らも含めた外国人と結婚し、海を渡った日本人女性たちがそう呼ばれました。
終戦直後の日本。進駐軍向けの慰安施設(RAA)の存在もあり、外国人と共に歩いているだけ、基地の中で働いているだけで「そういう職業(街娼)なのだ」と色眼鏡で見られる時代がありました。
「売春婦だと思われるの」「戦争花嫁っていうのはよくない」
こう振り返る当事者の言葉からは、彼女たちが愛する人と結婚しただけで、どれほどの誹謗中傷に晒されてきたか伝わってきます。