(写真提供:Photo AC)
総務省が2026年7月24日に公開した「令和8年版 情報通信白書」によると、日本国内で生成AIを「使っている」「過去使ったことがある」と回答した個人の割合は2025年度時点で58.8%となり、前年の26.7%から大幅に上昇したそうです。日本でもAIが普及していく中、ジャーナリストや解説者として活躍されている池上彰さんは「『考える前にAIに答えを求める』機会も増えており、自身で考え、判断すること、その過程が失われつつあります」と語ります。そこで今回は池上さんの著書『AI時代に自分の頭でどう考える?: 奪われるのは仕事か、思考か』より一部を抜粋し、「AI社会で人間にしかできないこと」をお届けします。

人の心を動かす文章を書くには

生成AI時代では、「五感」を働かせた文章がますます重要になってくるはずです。

生成AIは、インターネット上に存在する膨大な情報を瞬時に処理し、整った文章を作成することに長けています。しかし、それらは言ってみれば、ウェブサイトなどにある既存の情報を切り貼りしただけの「死んだ情報」に過ぎません。

本当に人の心を動かすのは、現場の現実との格闘を経た「中身の濃い文章」です。そのためには、手軽な情報収集に頼るのではなく、自らの足で現場へ赴き、色、音、味、におい、手触りといった「五感」を研ぎ澄ませることが不可欠になります。

現場の空気を感じ取り、そこで得た「雑感」を文章の中にさりげなく落とし込むのです。