『バックルームズ』場面写真
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1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!今回は、公開中の映画『バックルームズ』です。(イラスト:筆者)

やばい!怖い!こんな映画見たことない!

「この映画やばい!!怖い!!こんなの見たことない!!」

冒頭から異次元に引きずり込まれ、私は覚醒した。

実を言うと私はこの日、眠かった。試写を観ながら「寝落ちしたらどうしよう」という、失礼な状態だった。しかし映画が始まるや否や、とんでもない臨場感に眠気は吹き飛んだ。

手持ちカメラの不安定な映像が、何かに追われているらしい人物の視線そのままに動き、「彼」の恐怖を観る者に体感させる。乱れた息遣い、行先の定まらない足音。「彼」は古い通信機を見つけ、助けを求める。しかしーーーーー。

恐怖クライマックスの私たちを置き去りに、今度は定点カメラがカウンセリングルームを映す。そこにいるのは本編の主人公クラーク(キウェテル・イジョフォー)。彼は建築家になれなかった心の傷を負いながら、生活のため家具店の経営に乗り出し、自ら海賊の衣装でコマーシャル出演までしている。しかしそこまでして養っていた妻には逃げられたことを、彼は女性カウンセラーに話している。

そのカウンセラーはメアリー(レナーテ・レインスヴェ)。後にわかるが彼女も、幼少期の体験による傷を負っている。おそらくその記憶が、彼女を精神分析の道に進ませた。メアリーは親身であり、クラークは継続的にカウンセリングを受けているようだった。

4コマ漫画(さかもと未明さん提供)
さかもと未明さん提供