名脇役女優としてテレビや映画、舞台で活躍された一方、エッセイストとしても知られた沢村貞子さん。そんな沢村さんが1966~1983年の間、新聞の人生相談に寄せられるさまざまな悩みに回答した83篇をまとめた書籍が刊行されました。そこで今回は書籍『わたしの人生案内』より一部を抜粋し、人間関係や夫との不和に悩む昭和の女性たちに送った言葉をご紹介します。
愛情のない夫と男友だちの間で……
相談
結婚生活16年になる主婦です。実は私には、幼時から両親も公認した男友だちがいました。彼は上京し、たまに帰郷して私と会っていましたが、あるとき私は他の男との恋愛がやぶれたショックで彼のことを忘れ、見合い結婚してしまいました。それがいまの夫で、愛情などあるはずもなく、それから16年、2児の母になりました。
子供たちは頭もよく素直なよい子。でも私にはこの16年心を満たしてくれるものは何もありませんでした。夫は利己的で視野が狭く、私が病気になってもご飯を食べさせてくれません。でも金銭的には私にまかせきりなのがしあわせと思っています。
昨年上京の折、彼と電話で話をしました。彼は一言、何年も待ったよ、と言いました。彼にも奥様と子供がいます。私は子供が大きくなったら一人になって働く覚悟はしています。夫など私には不要です。阿呆くさいとお思いでしょうが、私のとるべき道を教えてください。
秋田県・結婚をまちがえた妻