更年期以降、女性ホルモンの減少の影響で骨は脆くなりがちです。 放っておくと将来、寝たきりになるおそれも。 けれど、骨は刺激を与えることでいくつになっても鍛えられます。 骨を強くする「骨たたき」と「食事」を紹介しましょう(取材・文・構成=天田 泉 イラスト=おおの麻里)
更年期以降の骨が脆くなる原因
いつまでも自分の足で歩けるからだを保つには、「骨」と「筋肉」の質と量を維持することが欠かせません。なかでも骨の重要性を訴えるのが、整形外科医の中村光伸先生です。
「骨が脆くなり骨折してしまったら、筋肉を鍛えるための運動をすることもできなくなりますし、日常動作にも不自由を感じてしまうでしょう。そういう意味で、しっかりとした骨は、若さと健康の象徴と言えるのです」(中村先生。以下同)
人間の骨は、新陳代謝をくり返し、約5年で全身の骨が新しく生まれ変わっているそう。
「骨を作る骨芽(こつが) 細胞と骨を壊す破骨(はこつ)細胞がバランスをとりながら働いて、強度を保っています。最大骨量に達するのは20歳頃。その後は40歳頃まで一定量を保ち、以降は加齢とともに骨を作るサイクルが長くなって、男女ともに骨量が減少していきます」
さらに女性は更年期以降に女性ホルモンが急激に減少し、骨粗しょう症のリスクが高まるのだとか。
「女性ホルモンには、骨芽細胞の働きを促し、破骨細胞を抑制する働きがあります。しかし、閉経で女性ホルモンの分泌が一気に減ると、骨代謝のバランスが崩れ、骨を壊すほうのスピードが加速してしまうのです」