家にいると家族に心をかき乱されて、もう我慢の限界!という方は必見。これまでプロのアスリートを数多く指導してきたメンタルトレーナー・田中ウルヴェ京さんが、家族と穏やかに過ごすためのノウハウを教えます(構成=山田真理 イラスト=丹下京子)
不安や緊張は感じて当たり前
コロナ禍をきっかけに自宅で過ごす時間が多くなるなか、家族に対してストレスを感じる人が増えています。夫の何気ないひと言にイラッとしたり、子供とうまくコミュニケーションできずに落ち込んだり。そうしたストレスの背景にあるのは、言うまでもなく新型コロナウイルスが引き起こした地球規模の大変化です。
私たち人間は、自分を取り巻く環境の変化を好みません。たとえば進学や結婚、昇進といった「いい変化」であっても、環境が変わることによる緊張や不安にストレスを感じた経験は皆さんにもあると思います。
今はコロナ禍という心身の健康を害する「悪い変化」が、終息時期も対処法も不確かなままダラダラと続いているのですから、世界中の誰もが今まで感じたことのないような強いストレスを抱えて当たり前なのです。
家族間の場合、自分がストレスを抱えていることを認めたがらない人もいます。とくに真面目に一所懸命、家族のために頑張ってきた女性ほどその傾向があるようです。
しかし、脳が確かにストレスを感じているのに自分で認められずにいると、体は頭痛や肩こり、胃腸の不調、血圧上昇といったシグナルを出して「早く何とかして!」と訴えてきます。また、イライラや気分の落ち込みといった心の不調は、日常生活のパフォーマンスにも影響するでしょう。
たかがストレスと軽んじたり、我慢したりせず、上手につき合っていく方法を身につけることが重要です。