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不意打ちで襲われた病気の後、人はどのように気持ちを立て直すのか。生きる気力を取り戻した4人にお話を聞いた。2人目はマチコさん(仮名、66歳)。コロナウィルスに感染し、ホテルで隔離生活を送っているうちに心境の変化があって――(取材・文=島内晴美)

夫からの家庭内感染でコロナ陽性に

昨夏、コロナウイルスに感染して大きな影響を受けたのがマチコさん(仮名、66歳)。自宅1階で音楽貸しスタジオを経営しているマチコさんにとっては、重い責任と負担がのしかかる出来事だった。

「夫からの家庭内感染でしたが、PCR検査の結果が判明するまでの数日間は地獄でしたね」

自分のことより、この数日間に会った人の顔が浮かび、スタジオを訪れた数十人に片っ端から電話を掛ける羽目に。

「自分が陽性かどうかもわからない段階で電話を入れたものですから、聞いた側も混乱しますよね。どうしたらいいの? と言われても、保健所に聞いてみてとしか答えられず……」

夫の濃厚接触者に当たるのはマチコさんだけ。そうとは知らず大勢に連絡して、結果的に保健所に迷惑をかけてしまった。