「ドラマスタイリングの手法は、普段の私たちの洋服選びにもすごく役立つ」と話すスタイリストの西ゆり子さん(写真提供:主婦と生活社)
テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在、西ゆり子さん。『電車男』『のだめカンタービレ』『リーガル・ハイ』『家売るオンナの逆襲』など、手がけたTVドラマや映画はおよそ200作品にも及ぶそう。その西さん、「流行を発信する雑誌のスタイリングとは異なり、ファッションで役柄を表現するドラマスタイリングの手法は、普段の私たちの洋服選びにもすごく役立つ」と話します。その意味で「似合わない服・色なんてない!」とのことですが――。

おしゃれは自分の気分を上げるためのもの

「このブラウス、かわいい!」「このワンピース、素敵!」。

自分が心底好きな服を着ていると、おのずと気分が上がりませんか? そんな服を着たときは、誰と会ってもどこに出かけても「私って無敵!」とテンションが上がるはず。

それくらい、その日着る服は、着る人の心に大きな影響を与えます。そもそも、おしゃれは自分の気分を上げるためのもの。それを忘れてはいけません。

私がドラマの現場でスタイリングするときも、女優がただきれいに見える服を選んでいるわけではありません。脚本を読み込んで、その人が演じるヒロインの性格や個性をきちんと把握してから、ヒロインの心境に最もふさわしい服を着ていただくようにしています。