「服」と「心」は密接な関係にある
たとえば、『セシルのもくろみ』(2017年)というドラマで、バリバリと仕事をこなすファッション雑誌の編集部デスクを演じた板谷由夏さん。
つねに“攻め”の姿勢を貫くヒロインの心情にふさわしく、普通の女性では到底着こなせないような「柄物のトップスに柄物のスカート」という組み合わせの衣装を着ていただきました。
一般的なファッションの教科書ではNGとされているコーディネートですが、このヒロインは「“柄×柄”も着こなせる強い女性」なのだから、服のパワーで演技を後押しできるようにと、服に思いを託しました。
『家売るオンナの逆襲』(19年)でヒロインを演じた北川景子さんには、赤いロングコートに黒×イエローのスヌードを合わせ、足元のパンプスは水色といった「鮮やかな色×色」の衣装を着ていただいて、天才肌で豪快なヒロインの性格をアピールしました。
それだけ服の色やデザインは着る人の心を映す、密接な関係にあるのです。