「どんな服を着たらいいか」という質問に対して

「どんな服を着たらいいかわからない」と、スタイリングレッスンの生徒さんに聞かれることがよくあります。私の答えは極めてシンプル。「好きな服を着ること」です。

とくに、家庭や職場での役割から徐々に解放される大人の女性には、これまで遠慮していた自分の着たい色、着たいデザインの服を堂々と着てほしい。ただ、いきなり好きな服を選べと言われても、じつはそれが一番難しいもの。まずは少しずつ自分の感性を取り戻すことから始めましょう。

着る服を考えることは、食事の献立を考えるのと同じです。

「今日の夕飯、何にしよう?」というとき、自分や家族が食べたいものを想像するでしょう。服選びもその感覚で。今まで「これでいい」と適当に選んでいたものを「これがいい」に変えていくのです。

「色は元気をくれる。だから自分のために着る!」という西さん(写真提供:主婦と生活社)

最初は時間がかかるかもしれませんが「今、自分が着たいのはどんな服?」と、毎回真剣に考えているうちに、錆びついていたセンサーが徐々に機能し始めて、次第にパッパと決められるようになる。すると、お店に入った瞬間に、好きな服が自然と目に飛び込んでくるようになるのです。