「似合わない」のか「見慣れていないのか」

ドラマスタイリストの仕事をしていると、「私、タートルネックが似合わないの」「太ももが張っているから、タイトスカートはダメ」などと、言われることがよくあります。

でも、先ほどもお伝えしたように、そもそも「似合わない服」なんてないのです。一般の方が、自分の思い込みだけで、着る前から「似合わない」と決めてかかるのは、じつにもったいない!

私はいつも「似合わないと思っても、3回は着てみましょう」とアドバイスしています。1回目に着たときは「ダメだ」と違和感を覚えても、2回目には少しだけ抵抗感が薄れて、3回目は「あれっ、似合ってる?」と前向きに思えることがよくあります。

「似合わない」と感じるのは、単に「見慣れていないだけ」という場合が多いんです。

3回目に着たときには、ちょっとした工夫をするのがおすすめです。少しだけ袖をまくってみるとか、胸元のボタンを3つ目まで開けてみるとか。襟をちょっと抜いたり、トップスの裾をウエストにインしてみてもいい。

私も、流行のパワーショルダー(肩にボリューム感があるデザインのこと。主にジャケットやトップスに使用される。インパクトのある広い肩幅や量感のある袖が特徴)のブラウスを最初に着たときは「似合わない」と感じましたが、襟を抜き、袖をまくってみたら、あら不思議。「意外にイケてる」と思えるようになりました。

流行とはそもそも“ヘンなもの”なのです。少しでも着たいと思うなら、積極的に流行を取り入れて旬のパワーをもらいましょう。