朝ドラ『カムカムエヴリバディ』もいよいよ大詰め。条映映画村にやってきたハリウッドのキャスティング・ディレクター、アニー・ヒラカワとして森山良子さんが登場。ひなたの英語を褒め「ラジオ英会話、まだ放送されてるんですね」とつぶやく場面も。SNSでは「アニーは安子さんでは?」と盛り上がりを見せている。森山さんの父親・森山久さんはジャズ・トランぺッターの草分けであり、ルイ・アームストロングとも交流があったとか。また、同番組の主題歌は息子・森山直太朗さんが手がけている。森山さんが、音楽の道に導いてくれた両親や、息子、娘夫婦との交流を語った2021年4月13日号の記事を再配信します。
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『婦人公論』2021年4月13日号の表紙は歌手の森山良子さんです。長く歌手として活躍してきた森山良子さんは、家を留守にしがちだったと言います。子どもと過ごす時間が限られていたとしても、いくつになっても良好な関係でいられる理由とは──。(構成=丸山あかね)
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『婦人公論』2021年4月13日号の表紙は歌手の森山良子さんです。長く歌手として活躍してきた森山良子さんは、家を留守にしがちだったと言います。子どもと過ごす時間が限られていたとしても、いくつになっても良好な関係でいられる理由とは──。(構成=丸山あかね)
息の長いシンガーになるためには基礎が大切だ
歌手生活55年目に突入しましたが、「この広い野原いっぱい」でデビューした19歳のときから何も変わってないような気がします。歌うことをコツコツ続けていたら、あっという間に時間が流れたという感じでしょうか。
父がジャズのトランぺッター、母は無類の歌好きという環境に育ったので、小さな頃から常に、ビッグバンドのジャズや洋楽といった音楽が流れていました。小学校5年生の頃、両親に「歌い手になるから中学には行かない」と言って慌てられたのを覚えています(笑)。
「まずは高校を卒業すること!」「そして発声の勉強をすること!」。この2つの約束をし、今も師事する声楽家・坂上昌子先生の門を叩いたのが14歳のときでした。
わが家では「歌手になりたい!」はフワフワとした夢物語ではなかったのです。「音楽の世界は良子が考えているような甘い世界じゃないよ、息の長いシンガーになるためには基礎が大切だ」と厳しく言われました。この両親の助言がなければ今の自分はなかったと感謝しています。