判定に不満があった場合
初めて認定調査を受ける時は、要領が分からず、本人も親族も緊張します。利用希望者は、自分を現実以上によく見せたいという自己防衛反応が働くのか、質問を受けると、出来ないこともすべて出来ると答えてしまうケースも多いです。
その場合、子どもが「親はこんなことを言っているけど、本当はできません」とでも訴えようものなら、プライドが許さず、怒り出す利用希望者もいます。いつもは足取りもおぼつかないのに、腕立てふせをしてみせた利用希望者までいると聞きました。
第一次判定では、行政から依頼を受けた認定調査員が利用者に質問し、ハイ・イイエを付けていきます。医師の意見書も重視するとはいえ、利用者がすべての質問にハイと答え、コンピューターがその通りにジャッジしたとしたらどうなるでしょうか? 本来は介護保険サービスを受けられるはずが、介護予防のサービスしか受けられない、という事態が発生します。
判定結果に納得がいかない場合、 「不服申し立て」と「区分変更申請」を行うことができます。
結果に納得がいかない場合、都道府県が設置している介護保険審査会に結果を受け取った翌日から60日以内に不服申し立てを行います。介護保険審査会は、要介護認定を審査し、申し立てが妥当と判断すれば、要介護認定を取り消し、審査をやり直します。しかし、取り消してやり直すと、相当の日数がかかることになることは覚えて置かなければなりません。
認知症などが進行し、明らかに身体状況が変更した場合に、市区町村の介護保険課に区分変更申請手続きを行います。不服申し立てと違って、いつでも申請することができ、1ヵ月程度で結果が出るので、不服申し立てより区分変更申請をして介護認定をやり直すケースもあります。