● 年金詐欺
・《未払い年金詐欺》
・《個人情報不正入手》
・《年金詐欺が狙われる日?》
● 平均年金受給額
● 老後夫婦二人の収支
年金詐欺
シニアにとって年金は生活の基盤となるものです。年金に関する情報収集は大切ですが、年金を狙った振り込め詐欺が発生していることは、ご存じでしょうか?
一般的に振り込め詐欺は、子どもや孫になりすました犯人から「事故を起した」「取引先などに迷惑をかける」と連絡があり、その後、何人もの登場人物が現れて、誘導されているうちに、だまし取られていたというシナリオです。最近では手口も巧妙になって、行政の担当者役一人だけが登場し、心理的揺さぶりをかける振り込め詐欺も行なわれています。
実際の手口の一例を紹介しましょう。
ある昼下がり、年金事務所の職員と名乗る犯人から、「一部未払いの年金があることが発覚し、振り込ませていただきます。ただし、払い戻しには期限があり、急で申し訳ありませんが、本日の午後3時までです。手続きをしないと、今後、年金は受け取れなくなります」との電話がかかってきました。その際、「ATMで受付番号を入力する必要があります。どこのATMを利用しますか?」と聞かれたそうです。一見、親切そうに聞こえますが、これが犯人の作戦なのです。
犯人は「古いATMでは対応できない機種もある」と、被害者にあらかじめ伝えます。続けて「受付番号を入力できないATMの時は、近くの**のATMに行ってください。そこなら対応できます」とATMの場所を案内しますが、そこは無人ATMなのです。
当然のことながら、受付番号を入力できるATMなどありません。しかし、「ほかのATMならできる」と事前に言われている被害者は、犯人から指定されたATMに駆け込んでしまうのです。事前に聞かされていた「振込み金額の画面にきたら、受付番号を入力すると、画面が切り替わります」という嘘を信じて、入力します。この受付番号こそ、振込み金額だったのです。
冷静に考えれば、おかしい話だと気がつきます。しかし、「年金が中止になる」「未払いの年金が受け取れない」「ATMが使えない」といった揺さぶりが重なると、冷静な判断ができなくなります。
ちなみに年金の老齢基礎年金、老齢厚生年金のどちらも、受給停止は、受給者が自分で申し出をして、所定の手続きを経て行なわれるものです。こうした電話などがあった場合は、相手方の名前や連絡先などをメモして警察に通報するか、年金事務所まですぐに連絡を。