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「姉のあだ名は、ずっと《はいり》だったんですよ」「うちには《仁》という親戚がいて」――そう話す片桐仁さんと片桐はいりさんは、まるで「片桐姉弟」というコンビのよう。しかし鼎談の途中から仁さんは、清水ミチコさんとともに《姉》を諭しはじめて……はいりさんの「もぎり」が仕事でなかったことに気づいて驚愕するところから後編ははじまります。(撮影=大河内禎)
楽しいから、もぎってるだけなの
清水 ちょっと待って。もぎりって、仕事なんだよね。
はいり 仕事じゃないです。
清水 実は私、いまのいままで、はいりさんはキネカ大森と軽い業務提携をしてるのかと思ってた。
はいり いえいえ、まさか! お2人のYouTubeとほぼ同じ感覚で、ただもぎってるだけです。
清水・仁 違う、違う、それは私たちと全然違う!
仁 本来、もぎりはお金をもらってする仕事じゃないですか。
はいり 楽しいから、もぎってるだけなの。だからボランティアでもないし。私だって、もぎるためにわざわざ出かけたりはしないですよ。基本は映画を観るついで。「今日、私いなかったらどうなっちゃうの?」っていう忙しさのときは働きますけど。あとは買い物のついでに寄って、普通にもぎる。
清水 普通じゃないんだなあ。
仁 はいりさん、無意識に「働く」って言ってますよ。
はいり あ……。でもお2人のYouTubeだって、別に儲かるわけじゃないですよね。
仁 広告として機能する再生数になれば、微々たるものは入ります。
はいり でも、その収入を生活費のあてにはしてないですよね。
清水 してないけど、万が一ってことがあるんだよ。(笑)
はいり 万が一ってなんですか。
清水 あわよくば人気が出るかも、という気持ちがゼロなわけじゃない。だから、はいりさんのもぎりほど純真じゃない。
はいり そっかあ。私、清水さんが人をびっくりさせたくてやってるサグラダ・ファミリアと私のもぎりは、根っこが一緒だと思ってたんですよ。電車がきたら、ワーッて手を振ってみんなを驚かせたい、みたいなことなのかなって。じゃあ、仁さんが首から下げてるこのスマホのカバーは? 二度見させたい、びっくりさせたいって思ってるよね?
仁 もちろん、びっくりさせたくてつくってますよ。だけどやっぱり仕事の一部でもあるんですよ。