圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第32回は「宝塚のトップスター」のお話(後編)です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
香りは私にとって大切なアイテム
上級生が通り過ぎるとふわっと漂う香り。
カッコいい!
私もあれやりたい!
そう思っていた下級生時代。
下級生の頃は、憧れの方が付けている香りを嗅ぐだけでテンションが上がったものです。
いつから香水を身に纏うようになったのか、
鼻がバカになるくらいいろんな香りを試し、
これだという香水にやっと出会い、お気に入りを見つけました。
それからというもの、香りは私にとって大切なアイテムです。
香水は、自分の中のスイッチを入れてくれる特別なものです。
香りには敏感な私。
真っ暗な舞台袖でも、「この香りはこの人だ」と、近くにいる人が誰だかわかるほど、
香りとその方はセットになって記憶に残っています。
舞台に近いお席に座ったことがあったり、
何かの機会でタカラジェンヌとすれ違ったりしたときなどに、
ふわっと香るその香りに、
ドキドキした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「何の香水を使ってるんだろう?」と。