受賞の喜びを語る青山文平さん(撮影◎本社 奥西義和)

 

第17回「中央公論文芸賞」受賞作品は、浅田次郎、鹿島茂、林真理子、村山由佳(五十音順)の四氏による厳正な選考の結果、青山文平さんの『底惚れ』(徳間書店)に決定しました。10月20日、都内で行われた贈呈式の様子と、『婦人公論』11月号に掲載された受賞のことば・選評を掲載します。
第17回「中央公論文芸賞」受賞作
『底惚れ』(徳間書店)青山文平


正賞── 賞状
副賞── 100万円、ミキモトオリジナルジュエリー

書き続ける支えをいただいた


2022年10月20日(木)東京・有楽町の東京會舘にて、第58回谷崎潤一郎賞と第17回中央公論文芸賞(中央公論新社主催)の贈呈式が行われました。
谷崎潤一郎賞は、吉本ばななさんの『ミトンとふびん』(新潮社)、中央公論文芸賞は青山文平さんの『底惚れ』(徳間書店)が受賞。

谷崎賞は池澤夏樹さん、中央公論文芸賞は浅田次郎さんによる講評の後、賞状と副賞が受賞の二人に贈られました。

副賞のミキモトオリジナルジュエリーは株式会社ミキモトの協賛を受け、1962年の第1回「女流文学賞」から贈呈されている歴史ある賞品。2009年からはページを開いた本をモチーフにしたオリジナルデザインに一新され、谷崎賞の副賞としても贈られています。吉本さんには指輪が、青山さんにはピンブローチが、ミキモト代表取締役社長・中西伸一氏から手渡されました。

贈呈式で挨拶に立った吉本さんは、「何にも載せないから撮らせてください」と壇上から会場をスマホで撮影。「選考委員の方が作品を読んでくださったのは、受賞以上に嬉しいこと」と、各選考委員(池澤夏樹氏、川上弘美氏、桐野夏生氏、筒井康隆氏、堀江敏幸氏)とその作品への思いを原稿に認め、アドリブも交えつつ読み上げました。

青山さんは8月に受賞の知らせを受けてから贈呈式までの日々を振り返り、「『婦人公論』11月号に掲載された選評を読み、信じられないような高い評価をいただいて、贈呈式に行ってもいいんだろうな、という気持ちになった。書き続ける支えをいただいた」と語りました。

中央公論文芸賞の受賞の言葉と各選考委員の選評を紹介します。
(谷崎潤一郎賞の受賞の言葉・選評は、中央公論.jpにて掲載しています)

青山さん(左)と吉本さん(撮影◎本社 中島正晶)