ジェーン・スーさんが『婦人公論』に連載中のエッセイを配信。今回はツイッターでみかけたあるつぶやきについて。学生に対する教授の不誠実な対応を知り、腸が煮えくり返る思いをしたそうでーー。(文=ジェーン・スー イラスト=川原瑞丸)

とんでもないつぶやき

昨年11月、ツイッターでとんでもないつぶやきが目に入った。

流れはこうだ。都内某大学の男子学生が、ゼミの志望に関し担当教授にメールで問い合わせた。返信の概要は「女子は応募すれば基本的に採用」だった。応募要項には「男女問わず募集」とあったにもかかわらず。

該当の学生は男子だ。ただし、彼の名前は女子の名前としてもありうるもので、教授は彼を女子と思い込み、最後に「念のため」と、彼の性別を確認してきた。

自身が男子であることを伝え、教授との面談で、女子は優先的に採用されるのかを問うたところ、「公式に言えば問題になるから言えないが、あなたが女だと思ったから。そうではないなら……」と教授は言葉を濁す。

しかも、教授が学生を女子と思い込んだのは「あんな名前をしているから」と、彼の美しい名前までこき下ろした。誕生を喜んだ人が幸せを祈りつけたであろう名前を、自身の失態をささいなものにするためにさげすんだ。私の腸が煮えくり返る。