左から、成田さん、高橋さん、岡本さん、前田さん。撮影中も自然に息の合った位置取りで、それぞれのポーズを決めて(写真撮影:初沢亜利)
2023年4月28日の大阪・フェスティバルホールを皮切りに、21都市48公演の『男闘呼組2023 THE LAST LIVE』ツアーをスタートさせた男闘呼組(成田昭次・高橋和也・岡本健一・前田耕陽)。ツアー終了後には、『男闘呼組LAST FOREVER』と銘打った武道館4公演も予定されている。男闘呼組としての活動は8月をもって終わるが、寺岡呼人プロデュースによる新バンド・Rockon Social Clubとしての活動は今後も精力的に続けていくという。
8月で結成35周年。彼らが30年ぶりに復活を遂げた理由、そしてグループへの思いについて前後編で語っていただく。
(構成◎上田恵子 撮影◎初沢亜利)

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気持ちが通じ合っているという手ごたえがある

高橋和也(以下、高橋)男闘呼組が復活してから何度かライブをやってきましたが、とにかくファンの皆さんが熱いんですよ。僕らもそのエネルギーをもらって、以前だったら出なかったレベルの力がどんどん出せている。アドレナリンが出っぱなしという感じで、最高の思いをさせてもらっています。30年活動していなかったグループに、皆さんがここまで盛り上がってくれるなんて……。予想をはるかに超えたリアクションでした。

岡本健一(以下、岡本)最初にライブをやった時は、まだ声出しが禁止で。今もマスクは必要だけど声出しはOKになって、会場にすごいエネルギーが充満している気がしますね。

前田耕陽(以下、前田)お客さんの声を聞いて、僕らもより頑張れています。「声を出していい」ってなって、こちらも盛り上げやすくなりましたし。客席と、ひとつになれる瞬間が作りやすくなった。

岡本 お客さんを見ていると、涙を流している人もいれば、すごく楽しそうに笑っている人もいて。自分たちも「こんなに泣くことってあるのかな」「こんなに笑うことってあるのかな」というくらいいろいろな感情が出てきて、生まれ変わった感じです。

成田昭次(以下、成田)去年の10月15日が復活コンサートの初日だったんですけど、そこで10代の頃の自分たちの曲を結構やっているんです。最初はそれが成立するかどうか、やってみないとわからないところがありましたが、今は「懐かしいだけじゃなくて、新しい何かに向かってるんだな、俺たちは」という実感が持てています。

岡本 そうだね。

成田 その日のライブは、奇跡を見ているような気持ちでステージに立っていましたね。一瞬で昔にタイムスリップしたような感覚があって、すごく嬉しかった。50歳を過ぎて当時の自分たちの楽曲にトライしたのも面白かったし。リハーサルの時、言葉で語らなくても「今、メンバーはこう思ってるんだろうな」とわかる、気持ちが通じ合っているという手ごたえがありました。しかも3人は昨日より今日、今日より明日のほうが良くなって、現在の自分たちをちゃんと見せられている。ものすごく刺激を受けました。また明日からリハでスタジオに入りますが、今から楽しみで仕方ないです。