8月で結成35周年。彼らが30年ぶりに復活を遂げた理由、そしてグループへの思いについて前後編で語っていただく。
(構成◎上田恵子 撮影◎初沢亜利)
気持ちが通じ合っているという手ごたえがある
高橋和也(以下、高橋)男闘呼組が復活してから何度かライブをやってきましたが、とにかくファンの皆さんが熱いんですよ。僕らもそのエネルギーをもらって、以前だったら出なかったレベルの力がどんどん出せている。アドレナリンが出っぱなしという感じで、最高の思いをさせてもらっています。30年活動していなかったグループに、皆さんがここまで盛り上がってくれるなんて……。予想をはるかに超えたリアクションでした。
岡本健一(以下、岡本)最初にライブをやった時は、まだ声出しが禁止で。今もマスクは必要だけど声出しはOKになって、会場にすごいエネルギーが充満している気がしますね。
前田耕陽(以下、前田)お客さんの声を聞いて、僕らもより頑張れています。「声を出していい」ってなって、こちらも盛り上げやすくなりましたし。客席と、ひとつになれる瞬間が作りやすくなった。
岡本 お客さんを見ていると、涙を流している人もいれば、すごく楽しそうに笑っている人もいて。自分たちも「こんなに泣くことってあるのかな」「こんなに笑うことってあるのかな」というくらいいろいろな感情が出てきて、生まれ変わった感じです。
成田昭次(以下、成田)去年の10月15日が復活コンサートの初日だったんですけど、そこで10代の頃の自分たちの曲を結構やっているんです。最初はそれが成立するかどうか、やってみないとわからないところがありましたが、今は「懐かしいだけじゃなくて、新しい何かに向かってるんだな、俺たちは」という実感が持てています。
岡本 そうだね。
成田 その日のライブは、奇跡を見ているような気持ちでステージに立っていましたね。一瞬で昔にタイムスリップしたような感覚があって、すごく嬉しかった。50歳を過ぎて当時の自分たちの楽曲にトライしたのも面白かったし。リハーサルの時、言葉で語らなくても「今、メンバーはこう思ってるんだろうな」とわかる、気持ちが通じ合っているという手ごたえがありました。しかも3人は昨日より今日、今日より明日のほうが良くなって、現在の自分たちをちゃんと見せられている。ものすごく刺激を受けました。また明日からリハでスタジオに入りますが、今から楽しみで仕方ないです。