中身が大事なんて言うのは、裏を返せば容姿にとらわれているということ(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは岡山県の60代の方からのお便り。ある日新聞で見た一つの言葉から、思いを巡らせ――。

見た目はどこまで重要?

「ルッキズム」。新聞を読んでいたとき、珍しい言葉が目に飛び込んできた。人を見た目で評価することを表す、との説明に、社会全般にうとい私は衝撃を受けた。

かつて見た目、とくに体形を採用基準の一つにする会社もあると耳にしたことがある。亡き夫は、好きな物を好きなだけ我慢せず食べるタイプで、お腹はぽっこり突き出て、明らかに太りすぎだった。しかし、休むことなくまじめにコツコツと仕事をこなしていたことを思い出す。

私はといえば夫とは真逆。神経をすり減らして気を使う性格で、若い頃からすごく細い体形だ。「うらやましいわぁ」とお世辞まじりに言ってくれる人もいたが、痩せすぎて老け込んだ私は毎朝鏡を眺め、「さらに年をとったらどうなる?」とため息。

同じ記事のなかに「ボディポジティブ」とあった。自身のありのままを肯定する言葉だそう。肯定も否定もせず中立でいようとする「ボディニュートラル」を提唱する動きも生まれているという。