「新聞は専門用語ばかりで難しい」「ニュースはネットで見るから、新聞なんていらない」など…。新聞離れが進み、新聞の読み方がわからなくなっている若者も増えています。そんななか、「新聞を読む人が減ったことで、新聞を読んでいるだけで他人に差をつけることが可能になった」と語るのはジャーナリストの池上彰さん。その池上さん「あなたがネットで得られるニュースの多くは、新聞社が取材した記事です」と言いますが――。
新聞に未来はあるのか
新聞に未来はあるのでしょうか。
先日、ある新聞記者に、同僚たちが将来に見切りをつけて次々に転職しているという話を聞きました。
自分も不安で、新聞に果たして未来はあるのか、という相談でした。
私は、こう答えました。
これまで日本での新聞発行部数が過大すぎた、と。
日本は宅配制度に支えられて、世界でも稀(まれ)な発行部数を維持してきました。
日本のどこにいても、新聞販売店が、雨の日も雪の日も自宅に新聞を届けてくれています。
その結果、新聞を購読するのが慣習になっていたのです。