多くの人が直面する親の介護と相続。きょうだいと協力して乗り越えられると思いきや、まさかのトラブルに発展!?特にもめやすい原因とその対処法をアドバイスします。
(構成:山田真理 イラスト:やすだゆみ)
(構成:山田真理 イラスト:やすだゆみ)
「きょうだい仲良し」は親の願望?
私は2012年から家族の介護を担う人たちの支援を始め、情報提供や同じ立場の人が悩みを分かち合える居場所作りに携わってきました。
家族の介護において、親との関係に悩む人も多いのですが、それ以上に深刻なのがきょうだい間のトラブルです。
「うちの子たちは仲が良いから、もめごとなんて起きない」という親御さんの声をよく聞きます。しかし実は、親がそう信じていたいだけだったりする。
何ごともなく付き合っているように見えても、心の底では「妹ばかり可愛がられていた」「学費や結婚費用で差をつけられた」といったわだかまりを抱えていることもあるのです。そうした不満は、親の介護をきっかけに噴出することが少なくありません。
また、介護は終わりが見えにくく、数年単位で続くことも。その間に認知症が進んだり、それによって介護者が仕事を辞めざるをえなくなったり、新たな問題が生じることもあるでしょう。
そのような状況下では、大なり小なりきょうだい間でもめるもの。トラブルの種を少しでも減らし、心の負担を軽くする方法をお伝えします。