(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
スマホの「思い出機能」が出してきた写真
スマホが毎朝、「1年前」「2年前」の今日撮った写真を勝手に出してくれます。
「思い出機能」という機能のようですが、おかげで記憶力の乏しい私も、去年の今、一昨年の今何をしていたかを振り返ることができます。
ある朝、表示されたのは「4年前」。
たまに出る「4年前」「5年前」の写真には、これどこ?何の写真??という記憶にございませんの写真もあり、朝から記憶力が試されます。
しかし、その日の写真は鮮明に覚えていました。
殿様のような格好の私。
私の地元で「国民文化祭・にいがた2019」という文化の祭典が催され、即位されたばかりの天皇皇后両陛下がご臨席されました。
その開会式では、偉人や先人、伝統芸能などが絵巻物のように登場するステージが披露され、私は「世阿弥」「上杉謙信」「良寛」を演じました。
新潟にゆかりのある先人達を演じて欲しいと、最初にお話を頂いた時、返事を渋りました。男役、しかも宝塚メイクもせず男役になれるのか、一緒に舞台に立つのは、世界的に活躍している新潟のダンスユニットChibi Unityの若者たち。
ダンスで表現する彼らと、そこにジョイントして現れる「世阿弥」「上杉謙信」「良寛」。
……全く想像が出来ません。
Chibi Unityの皆さんは、若いながらも世界最高峰のダンスコンテストで優勝したり、今年はアメリカズ・ゴット・タレントでゴールデンブザーを獲得した世界的ダンサーたちです。
いまどきの若者に、男役の私。
そして、新潟の様々な伝統芸能、綾子舞、仮山伏の棒遣い、能生白山神社の舞楽、片貝の木遣り、角兵衛獅子、佐渡おけさの皆様が、このストーリーに加わります。
どんな舞台になるのか、全く想像できないながらも、
人生で二度とないであろう天皇陛下の前で演じるという機会に、「やらせてください」とお返事をしたのでした。
浮くであろう男役の自分の姿に多大な不安を残しながら…。