迎えた本番当日

よし、これで本番に挑めると、迎えた本番当日。
天皇陛下ご臨席という事で、朝早くからの会場入りとなりました。
会場や会場周辺の警備は厳重で、「絶対に外には出ないで下さい」と完全な缶詰め状態です。

ステージ裏に作られた簡易的な楽屋から出ることは出来ず、出番までひたすら待機の時間でした。やる事といったら、イメージトレーニングと、楽屋のお菓子を食べることと、舞台化粧をいじる事ぐらい。 

気がつけば化粧はどんどん濃くなっていきました。
殿様のようなお衣装をお借りしたので、ひとしきり写真撮影で遊んでも、有り余るほど時間はありました。 

長い待ち時間。素顔でリハーサル待ち

待ち時間に疲れ果てた頃、開会式は始まりました。
鼓童の大太鼓から始まったプロローグ。
体全体が包み込まれるような振動に、一気に気持ちが高まります。 

いざ迎えたステージは、本当に気持ちのいい舞台でした。
絵巻物のように展開されていくストーリーと、伝統芸能がピッタリはまり、
演出の国友さんの感性の素晴らしさを改めて感じました。 

違和感が出るのではないかと余計な心配をした自分が恥ずかしくなったほど、伝統的な衣装で披露する伝統芸能の皆様は素晴らしく、稽古を積まれ、肌で感じ、技術だけでなく、想いや精神性までも受け継いでこられたのだと感じました。