以前は目が覚めるとすぐに「今日は何をするんだっけ」と考えて、あの原稿の締め切りがあるとか、インタビューがあるとか思い出し、「いざ出陣!」と起きるわけです。それが今では、目覚めてしばらく床の中で「今日は何をするか」と考えるんだけど、特にすることもなし。仕方なくモソモソと起きる。いざ出陣でも何でもないわけです。起きる時からもう元気がないんですよ。

そのうえ、体調がいいか悪いかも、目覚めたばかりじゃよくわからない。

体調は、日によっても時によっても違いますね。起きたはいいがソファに横になって、天井の格子模様を眺めている日も、一日ベッドの中にいることもあります。この夏はとりわけ暑かったので、へばっていました。

そういえば昨年は帯状疱疹とやらで、2ヵ月くらい寝込んでいました。でも、原稿が気になって、片足棺桶に突っ込んでたのに、引っ返してきた(笑)。床上げしてからは、歩けなくならないように廊下を行ったり来たりしてね。昔は「飛脚の佐藤」と呼ばれるくらい速足だったんだけど、今やヘナヘナ、ヨロヨロです。

体重も落ちました。すっかり痩せたけど、なぜか顔だけは変わらない。おまけに耳が遠くて自然と声が大きくなるから、みんな元気だと誤解して困るんです。腰が真っ直ぐだって? それは昔から背中が反っていたから、腰は曲がらないの。目はメガネをかければ読書もできますけど、耳がいけませんね。聴こえがすっかり悪くなりました。

 

一日の過ごし方は。

――起きるのは6時ごろかしら。それから杖をつきつつカーテンや雨戸を開けて歩いて。顔を洗ったら、表へ新聞を取りに行くのだけど、最近は足が上がらないものだから、やたらにつまずく。我ながらちょっと危ないなあ、と思っています。

新聞を読んでいるうちに娘がパンと卵やスープなどを持ってきてくれるから、お腹はすいてないけれども食事する。朝昼兼帯です。食欲はめっきり落ちましたね。

食後はもうすることがなくて、ぼんやりと庭を眺めたり、テレビを見たり。夕食は自分で作って食べて、寝室で本を読み、10時ごろには眠くなって寝る。寝つきは昔からいいんです。まァ、何も予定がないので寝過ごしたって別にかまわないんだけど。(笑)