動ける状態のままバターンと死んだほうがいい

叶井 中瀬さんは葬式どうする?

中瀬 私は、夫(作家の白川道)が亡くなったとき湘南の海に散骨したのよ。海洋散骨。要はお骨を粉々にしたものをパラフィン紙みたいなのに包んで、陸地から3キロ以上離れなきゃいけないから、みんなでクルーザーに乗って沖に出て。そこで、本人から指定されてた曲があったから、映画『ひまわり』(70)のテーマソングとかをかけながら、お花とお酒と一緒に骨も撒いたんだけど、それがすごくよかったの。

だから、私も散骨にしてほしくて。白川の骨を撒いた緯度と経度を示した座標を散骨業者がくれたから、その座標と同じ場所に私の骨も撒いてほしいと家族には伝えてある。葬式はしないし、お墓も戒名もいらない。

叶井 旦那さんは何歳で亡くなったんだっけ?

中瀬 69歳。亡くなったのは15年だから、8年前か。「夫」といっても結婚はしてないんだけどね。事実婚を19年やって、籍もアソコも入れてなかった。

叶井 はは、知らないよそんなの。

『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命半年”論』(著:叶井俊太郎/サイゾー)

中瀬 まだ若い……とはいえ叶井くんに比べれば、まあまあな歳だったからね。

叶井 じゃあさ、余命宣告を受けたとして、延命治療はする?

岩井 私も叶井くんと同じで、多少寿命が縮んでも、自分のやりたいことをやりたいと思うわ。

叶井 オレは余命半年と告げられたとき、治療法もいろいろ説明されたんだけど、全部拒否したんだよね。抗がん剤で毛が抜けるのも、めちゃくちゃ痩せるのも嫌だから、やらない。このままがいい。

中瀬 カッコいいまま死にたいんだ。

叶井 やっぱりオレは、動ける状態のままバターンと死んだほうがいいんだよね。もちろん価値観は人それぞれだから「長く生きられるなら、なんでもやります」って医療に頼る人を否定する気はまったくないんだけど。