懐かしい感覚

ご近所への気遣いを物々交換で表すことも、懐かしい感覚だった。

家庭菜園で採れたというミニトマトに加えて自家製のアプリコットジャムもくださったご婦人には、日本から持参したポン酢を差し上げて喜ばれた。

ご近所ではないものの、ザルツブルクの市内に大きな邸宅を構える友人宅に招かれた折には、海老のガーリックソテーに、自家製のホットスモークサーモン、そして家庭菜園のジャガイモをバターとパセリで和えたものが振る舞われ、手土産にと暇つぶしに飼っているという鶏が毎朝産み落とす有精卵を4つほどいただいた。

日本ではDIYが流行って久しいけれど、あちらでもペンキ塗りや、多少の大工仕事は業者に任せるものではないらしく、家具の組み立てに初めて取り組んでみると、なかなかどうして楽しいものであった。